昭和の風林史(昭和四九年八月三十日掲載分)

相場は底値圏 まず半値戻しへ

人気が極端に弱くなっただけに灰汁抜け後は半値戻しの千六百円高、即ち一万八千円も期待出来る。

「寺掃けば日に日にふかし秋の声 宗淵」

新穀小豆と旧穀小豆のサヤが二千円ほどに詰まったあたりが地相場になるのかもしれないという人気だ。

市場では先限(一月限)の一万六千五百円どころを下値の目途にしている。そしてそこから悪くても千円。即ち一万五千五百円は再び買い場になろうと見ていた。

厳粛に投げた板崎氏の玉関係については現物と定期のすべての買い玉のほぼ半分を整理したとの見方である。

そして現物の買い玉は定期にヘッジしてくるだろうから戻り売りの相場だという。

ケイ線的には27、28の両日の叩き込みが①放れ星型②大台三ツ変わり③大量出来高で目先的には下げ過ぎ、反発可能、下げ止まりという姿だ。
恐らく千円強の反発があるはずだ。

材料としては大衆向けにわかりやすく言えば二ツの台風であろう。そのひとつは、かなり大型の台風である。相場記事としての相場強弱なら七月26日から新値10本の下げ。日足26本。日柄の面で止まる地点。

それと、シコリになっていた高値因果玉の整理が進んだ。仕手筋の大幅な後退という内部要因の変化が今後の相場にどう影響するか。

あとは産地の天候である。早冷、早霜、病虫害などで百四十五万俵予想収穫がどれだけ目減りするかだ。

ここに来てホクレン筋の価格操作が注目される。つないだり、はずしたり、買ってみたり。生産者の利益団体だけに不当に安い価格に対しては介入してくるのが当然であろう。

人々は天候相場はもう終わり、平年作収穫と、大量在庫と輸入発券などで供給の大幅な緩和。そして新穀の現実的な出回り期を控えて仕手敗退、仮需要沈滞では戻ったところを売るしかないというのが常識になっている。

市場人気は極端に弱くならざるを得ない。

しかし、悪材料のほとんどが表面に出て、灰汁が抜けた感じがしないでもない。一万六千五百円だ。一万五千円だ―と売り込んでくれば、存外相場は人気の裏が出て下げ幅の半値千六百円戻しの一万八千円台が期待出来そうだ。

●編集部註
 「もう」は「まだ」なり。
 私見ながら、天候相場期よりも、需給相場期の方が、穀物相場の変動がえげつない印象がある。

【昭和四九年八月二九日小豆一月限大阪一万七〇六〇円・一五〇円高/東京一万七〇五〇円・二八〇円高】