昭和の風林史 (昭和四九年八月三日掲載分)

無条件買いだ 押し目完了せり

強気せんがための強気ではない。押し目完了と見るのである。九千円以上の小豆は無条件買いだ。

「荒れ気味の雲おそろしや避暑の町 立子」

商品相場は第一土曜日で全市場休会。

最近では各商社とも週休二日制を実施している。

官庁と銀行が週休二日制を実施すれば証券市場も歩調をそろえるだろう。

土曜日は心なしか朝の通勤電車も人が少ない。

だんだん日本にも週休二日制が一般化してきた。

ところで小豆相場のほうは落ち着いた。

この水準以下は売り玉の手じまい、新規の買いとナンピン買いが積極化する水準である。

手亡相場のほうも、再び判りやすい買い場を露呈している。海外の雑豆高騰や収穫三十万俵以下の予想では、相場を売り崩すという時代ではない。

手亡の崩落は利食い急ぎ、買い玉の投げなど、買いの手がひっ込んだまま薄商いの中で真空を斬るように値が落ちたもので安くなればあらためて見直しの買い物が入るし、値が硬化すれば売り物が引っ込んで買いの手が元気を取り戻す。

これで少し天候が悪くなれば手亡は再びストップ高をして高値を更新するだろう。

言うなら今回の下げは天候回復→作柄見直しという〝材料〟が相場の自律反動の時期に合致したもので都合よく押し目を構成したまでだ。

相場の基調としては依然上昇波動の中にある。

見渡せば市場人気は強くなりかけたところを棒下げされて、売り方はホッとしたところ。勢いを得て〝戻り売り〟の声にも力がこもってきたようだが、売って11月限の八千四百円。12月限の八千六百円。1月限の八千八百円は意外に抵抗力のあることを知るだろう。

12月限での下げ幅千八十円。この三分の一戻し地点の九千円の瀬から相場は急速に硬化し半値戻し地点九千二百五十円から出戻り気分で、押し目完了、新値抜き二万円乗せという明るい市場になるだろう。

八月中、下旬の天候もまったく予断を許さない状況である。

例年六月中、下旬に出る青田ホメが遅れて本年は七月下旬に瞬間的に出た。そういうふうに見る。強気せんがための強気ではない。押し目完了と見るのだ。

●編集部注
相場に絶対はない。

〝絶対○○である〟という視点で相場を見てしまうと、もう、それでしか相場が見れなくなる。

当っている時は良い。

曲がっている時はこれが命取りになる。

相場の要諦は損切りにあるという事である。

【昭和四九年八月二日小豆一月限一万八九二〇円・一〇〇円高/東京一万八八一〇円・九〇円高】