昭和の風林史 (昭和四九年七月五日掲載分)

吹き抜け街道 韋駄天走りだ!!

去年の七月の天井値段を抜けば吹き抜け街道韋駄天走り、この道はいつか来た道。

「水打てば沈むが如し苔の花 虚子」

成育悪し成育悪し―の情報を入れ、小豆と手亡の先二本新穀相場は積極買いで高値を更新する。

すでに平年作は今後の天候が回復しても、とどかない状態だから、作柄は、悪くなりこそすれ、良くなる気づかいはない。

買い主力は小豆の二万円相場は掌中にあると自信を強めている。

強烈に買い煽って、売り方の踏むところを利食いする。行く過ぎて押してきたあたりをまた仕込む。

昨年は、先限、先限を煽られ、この手で売り方は、たとえ現物ヘッジ玉であろうと場勘定で苦しんだ。

今年もまた、売り方が腹を立てるシーズンに入ったようだ。

この方法は、ひとたびツボにはまると、やっている側は面白くてしようがない。やられる側は怒り心頭に発する。

相場の遺恨などとは、こういうところから発生する。

昨年の高値一万九千三百円(天井七月13日)を今や買い切って、この新値抜けから吹き抜け街道となる。いまのところ天井らしい現象はない。

熱狂していない事。人気化していない事。安心買いになっていない事。

むしろ逆に市場は冷静で警戒人気が強い。

出来高面も場が割れるようなこともなく、いまだ延刻延刻という緊迫感もない。

そうなると、相場の成り行きで昨年の天井値段大阪一万九千三百円を抜けば、一発S高ふっ飛ばせば二万円。付いてしまえば付いた値が相場。

二万円どころでは、まず利食いも出よう。乗せてから押すか、力をためてから乗せるか、そのような事は大勢に影響なく、湧いたあたりに輸入発券。

さてそこで押し目攻勢となるが、作柄悪し、天候悪しの素地があれば三日と押さずに一日半。すかさず熱烈強気の拍手で買われて、今度は承知せんぞ、売り方皆殺しの大征伐。

いけいけムードの二万円が二万三千円。取引所は増証増証、主務省当局は規制強化を叫ぶ段取りになる。

この道は、いつか来た道。あーあ、そうだよ、アカシヤの花の咲くころ。太鼓を叩いてドン。小豆が高くてドン。手亡も高くてドン。売り方立腹してドン。ドンドン走れ、赤勝て白勝て、判りやすい相場になってきた。

●編集部注

 五〇〇円前後のレンジ相場。数回続いた所は要注意。大概その法則性は手痛いしっぺ返しに遭う。

【昭和四九年七月四日小豆十二月限大阪一万九〇四〇円・七〇円高/東京一万八九九〇円・一〇円高】