昭和の風林史(昭和五八年八月二日掲載分)

輸大の七千円は夢でない

小豆は爆発力十分蓄積した。輸入大豆の千円小走りが見えている。穀取大活況。

小豆の強気・弱気の地図は変わらない。

勢力もいまは均衡している。

売り方は行政相場圏に持ち込もうとする。

緊急発券とか三万五千円以上は予備枠出すとか“役所の意向”なるものが盛んに言われる。

果たして農水省当局がそのような発言をしているのかどうか判らない。

売り方の宣伝に使われているのかもしれず、あるいは、ある程度のニュアンスが拡大解釈されているのかもしれない。

農産物の自由化問題は遠のいたようだ。日米あくまで二国間の問題で、日本の農業政策を配慮する動きになった。

相場のほうは役所の“意向”なるものを尊重して、暴騰狂騰しないから、高くなければ緊急発券の必要もないのだから、これは相場にとってエネルギーの蓄積である。

信念というかストーリーを持っていない人は、この小豆買っていて、なにかぬるいように感じるだろう。しかし売っている側に回れば実に堅い相場だ。

そうこうしていて売り方辛抱できないような材料が出る。

買い方の買いによる上昇でなく売り方の煎れによる展開が必らず出現する。

いまの小豆売り方は、隣の輸大も大量売り建中。

この輸大がシカゴから遠いラッパで奔走更に暴走すれば、場勘の戦争で小豆に援軍を送れない。

小豆を踏むか輸大を煎れるか―進退谷(きわ)まれば、付いた値が相場になる。

北海道では来年にかけて古品小豆二等の四万五千円が常識になっている。

いずれは輸入小豆時代もこようが、くる前に今の古品限月が、壮烈な踏み上げ相場を展開するはず。

輸大の五千円から六千円は速い。七千円相場出現のトレンドに乗った。

●編集部註
 北に進むか南に進むかで揉めに揉め、グズグズしてるうちにどっちもやって戦線が伸びに延び、そのうちに戦況が芳しくなくなって撤退か否かでまた揉めに揉め、そうこうしているうちに負けてしまった旧日本軍のような話である。
 ここでは大豆か小豆かの話だが、同じ銘柄でも両建て問題で同じような話が出来る。
 見切り千両の上は無欲万両。孫子の「風林火山」の世界だ。ダラダラと相場を張っている者にロクな輩はいない。それは、取引とか運用とか投資・投機ではなく、中毒以外の何物でもない。