昭和の風林史(昭和五八年七月四日掲載分)

侵略すること火のように

今週の小豆も足が速いだろう。基調不変。輸入大豆が革命する。シカゴ大底打ち。

小豆は七千円騰がったからどうのこうのという考え方がある。

それはおかしいと思う。三万円から下の値段は、あれは水面下で、その分は余分に下げただけ。

だから三万円から幾ら騰がったかという物指しではからないと、この相場が判らなくなる。

三万円という値段は一、二年前なら立ち入り禁止地区といわれたほどの大安値である。

その三万円から地下に穴を掘って、掘った穴の底から物指しをあてるから七千円も騰がったと、りんき売りする。

三万円から出発したと思えば、まだ三千丁しか騰がっていないのだ。

何回も書いたが足かけ三年、丸二年も下げた小豆が、一ケ月ぐらいの上昇で、たまげていたら身がもたない。

天気も天気だし、作柄も作柄だが、要するに取り組みと人気である。

相場の基調は、ちっとも変わらないのは、熱狂しない。売り屋が売りたがる。適当に押す。利食いしては押し目を買う。だからこのリズムは息長く続く。

売り方には天気が回復したら―という望みが断ち切れない。回復しても駄目であるが、人気の流れが変わることを期待する。

全般に古品限月を買って、新穀限月売りという思想がひろまったが、12限は別として11限は売り過ぎている。ヒネ限月が次々納会して11限の売りが残れば、新穀出回りは遅れるし、結局再び11限見直し買いとなるだろう。

輸入大豆のほうは、これから大相場を展開するという、前兆である。どこを買ってもよいのだ。

]●編集部註
 後々に日足なり週足なりを見ていれば、買いなり売りなりを保持したまま放置しておけば利が乗るのはあきらかである。
 しかし、そうは問屋が卸さない。
 リアルタイムで相場に接していると、ハイそうですかともいかない。確実に上がるという保証がない以上、逃げたくなる。事実、逃げている。こおいう所に「人間力」の違いが出る。概して当たり屋の人間力は高い。
 令和最初の参議院選挙が始まるが、事前に各局で行われた党首討論を見ていると「人間力」の大小、人としての「器」の大小が如実に出ていた。
 誰が人気なのか、言っている事に筋が通っているのは誰か、等々は正直どうでも良い。相場に従事する人間の視点だと、器の小さい人物は「ああコイツ、相場が下手そうだな」と感じる。そんな御仁が頭目の政党には投票しない事にしている。
 曲がり屋の言動に従ってロクな目に合わない事を、我々は知っている。