昭和の風林史(昭和五八年五月三十日掲載分)

小豆は六月きわめて上伸

ゴムは内部要因上げ賛成。砂糖も自己玉上げてほしいポジション。輸大は売り場。

シカゴ大豆期近は予測していた通り六㌦10に落ち込んだ。

このあと小戻すとしても瞬間的に六㌦割れにタッチするトレンドである。

穀取輸大は円安が支えになっているが、為替の基調が円高に転換すると意外に下げ足を速める雨模様の地合い。

東京10限の百30~50円、大阪の四千70円あたりが非常に堅く見えるが、この水準で作った売り込みと買いつきの玉が、どのようにほどけるか。

輸大のトレンドは明らかな下降帯の中にあって今は一種の踊り場での時間待ちという姿に見える。

この時間待ちの限界が今週月末→月初にくる。百五十円ないし二百円ほどの落ち込みを予想しているのだがどうだろう。

小豆は農協筋がまた売ってくるというので用心された。まだまだ暴落の余震が残っているようだ。

しかし小豆特有のサイクルである〔春天井→青田底〕。〔夏天井→秋底〕。リズムに変わりなく、五月十分下げるとき六月きわめて急上げなりの本間秘伝を地で行くように思う。

あとは取り組みが大きくなるのを待つところ。

精糖は海外連騰と円安で確りだが、NY高の勢いからすると、どことなくぬるい。

煎れるものは煎れ、利食いするものは利食って、証拠金が高くなったので新規は模様眺めである。

安いところを売った玉でまだ頑張っている人は二一〇円買いときたらひとたまりもなく踏むだろう。

手の空いた筋は、その踏み上げを売り狙う心算。

ゴムは二百40円を固めた格好でなんとも強い。

●編集部註
 お上が相場に深く関与すると、大抵碌な事がない―と、これまで何度も述べて来た。鍋島氏の著作物など、過去の相場に関する記述を読むと、私の知る限りでは、儲けたのは確か立憲政友会と長谷川平蔵くらいで後は大抵失敗に終わっている。 
札束の殴り合いモードに入ると、金を持っている方が勝者になると思われがちだが、驕りが生じるのだろうか、最後の最後で崩れ始めると、損が損を生む悪循環に陥るケースが多い気がする。 
博打場で長居する馬鹿はいない。競馬なり、競艇なり、第一レースから最終レースまでずっとやっている人間は大抵損をしている。そおいう人は依存症である。
 お上が相場で依存症になると、大抵、素寒貧になって場が荒れる。責任を取るものはいない。
 実際、商品相場はそうだった。株式はどうか。