昭和の風林史(昭和五七年七月二四日掲載分)

躊躇逡巡せず買い方針?

小豆は積極買いよしのところ。条件が揃った。意外な展開になろう。来週は爆走高。

大阪は天神祭りで暑い時期なのに変なお天気だ。

産地も土用に入って日照も気温もよろしくない。

北海道は来週から下り坂の気象サイクルに入る。

関西では昔から天神底という言葉がある。

今月は、なんだかんだと大変だった七月七日の七夕さんの前日が皆既月食。そして22日に日食があった。

本間宗久伝には「日蝕の事」日食、月食ある年是迄大小となく不作なり―と。

相場界に怨み相場なるものがあるのは御存知。

桑名も六本木も、もうちょっと頑張っていたら、格好もついただろうに―という天候崩れの場面があるはずだ。これをあとの祭りなどという。いわゆる十日の菊である。

見ていると、腹立ちまぎれがまだ続いて感情的な売りが多い。売り目標二万二千円―などというのもその部類で、感心せん。

投機資金は、相場が熱をもってくると必らず帰ってくる。小豆マニアは、やはり小豆である。しかも売ってきた人は大なり小なり儲かっている。解け合いで、儲けが少なかったというのは死んだ子の歳をかぞえるようなもの。

この世界は、済んだことは、さっぱり忘れる事。(ただし相場に関してのみ)

線型は五千円下げの二千五百円戻しが、三千円上げ三万一千円(引け足)を取りに行く姿。

女々しい弱気が多いだけに、天候崩れとともにこれこそ天候相場という爆走を展開するだろう。

要するに底ができたのである。安値から日足陽線三本で食い込み、千円棒を立て理想の出直り。

取り組みも漸増傾向は逆ウオッチで買い暗示。

相場が若いということ。これが強味だ。

躊躇逡巡することなく買いである。

●編集部註
 まだこの頃、メリマン氏によるファイナンシャルアストロロジーの見方は日本に入って来ていない、メリマン氏自身が相場とアストロロジーの関係について深く解析してみようと思い始めたのが80年代初頭、ボルカー・ショック後に急騰した金相場を目の当たりにしてからなので、黎明期だ。
 ただ日本ではそれ以前から、月齢と相場の関係について分析する人はいた。また1930年代の相場で活躍したギャン氏は「早い惑星の動きに注意しろ」とアドバイスしていたという。