昭和の風林史(昭和五七年三月三日掲載分)

弥生三月相場の崩れどき

三月は下げなければ相場にならない。下げてみて、やはり悪かった実勢を知るだろう。

相場が激しく動くのは、なにかに期待した時か、その期待が、はずれた時のどちらかである。

小豆各節の商いは細々としたもので、僅かな玉で高下する。

現在は、あまり期待もしないかわり、期待はずれともいえず、硬軟模様眺めだからしようがない。

強気は五千円以下は立ち入り禁止と決めている。

はじめの立ち入り禁止は三千円以下ということだった。いつの間にか四千円になり五千円になった。

これは相場世界で日常茶飯事。去年の高値も当初三万八千円が目標だった。

それが四万円になり、四万二千円になった。

言うは易く、実行は難し。

いま、五千円以下は立ち入り禁止の五千円を割ってきたら、人気はどのようになるだろう。

いよいよ本崩れ始まるとばかり売ってくれば、これは摑まるかもしれない。

逆に、やれやれの利食い先行と、値頃観や仕手期待感で買ってくれば、その時は四千円の踏み板を破るかもしれない。相場なんて、そんなものである。

実勢はどうか?。小豆の実勢は悪い。悪いのに下がらんのは、定期が玉負けしているからだ。逆ザヤがそれを教えている。

このような相場は前(当限)から崩れてきたら、ひとたまりもない。

先三本のサヤ関係を見ていると、サヤすべり現象である。先安暗示だ。

買い方にすれば、坂から転がり落ちようとする相場の歯止めは先を強引に買うしかない。しかし効果はないだろう。とにかく重い。

●編集部註
 個人的に無限月の東京金スポットを中心に取引しているせいか、昔よりもサヤの存在をあまり意識しなくなった気がする。
 基本的に商品先物相場は現物があってこそ成立する。現物は、倉庫にある。倉庫会社は預かっている現物に対して倉荷証券を発行。受け渡し時、受け手にはこの証券がやってくる。倉庫会社が現物を保管している間保管料が発生し、先物価格にはこの金額が反映されるので、本来なら保管期間が長い期先限月の方が高い。これが順ザヤという。これが需給の変化で逆パターンになる事が。これが逆ザヤである。これ以外に、おかめザヤや天狗サヤ等サヤを利用した取引が有効活用され、サヤ取りの専門書が昔は多く出版されていた気がする。
 ただ、これらの戦術はしっかりと商いがあって初めて成立する。薄商いではどうしようもない。