昭和の風林史(昭和五十年四月三十日掲載分)

急反発がある 戻り一杯を売れ

手亡の大勢は下だが目先の突っ込みを売ると五、七百円の反発があろう。戻りを待って売る。

「城跡や井戸の中より揚雲雀 虚子」

手亡相場の悪さは、いまや誰一人知らぬ者がない。

ゆくゆくは一万五百円→一万円割れ→九千五百円以下といわれる。

あるいはそうかもしれないが相場は、そう単純な動きにならないと思う。

必ず逆襲が来る即ち下げの反動だ。それは大きいものではないだろうが、これだけ安心売り人気になった以上、自律戻しがあってもおかしくない。

大阪手亡七月限。

二月24日→三月25日。

この下げ幅…二九三〇円。

日足線24本の下げ。

この相場が急反騰して四月4日に一四二〇円高で戻り頭をつけた。

一四二〇円の戻しは前記下げ幅の約半値弱。

そしてこの相場が大台三ツ(三千円→二千円→千円)替わりの二段下げに入って日柄が18本目。

下げ幅(28日寄り値計算)二四四〇円。

前記一四二〇円を下に倍返しなら七月限の一〇四六〇円が急所になる。

二月24日から三月25日までの下げが約三千円の24日で大台四→三、二千円の三ツ変わり。

四月4日からの下げ目標値もそれと同じ小三丁(正確には二千八百四十円幅)の下げで一万四百六十円目標。日柄でいうと五月7日前後。

以上は大阪七月限を基準にしての計算。八月限ならその百円上の値段。九月限だと百五十円上として一万六百十円か。

どんなに悪い相場でも急所というものがある。ズンベラ棒のまま一万円割れにはならない。仮に将来割れるとしても必ず反発場面がある。

反動自律戻しが入ると七百円~八百円幅の三分の一戻しを考えればよいだろう。

戻すべき材料が出るものだし、戻すべき現象が発生するものである。

人々は戻す相場を見て売りあき気分とか、産地天候の異常(融雪遅れ)とかあるいは売り込みすぎた、取組整理などを言うだろう。

ここでの方針は、五、七百円の戻しが入る事を考えて突っ込み売りをせず、戻り一杯を売り直す態勢でよいと思う。

小豆は、瞬間的に九月限基準で一万六千五百円を洗いにくるかもしれない。黄金週間の相場は時に気まぐれだ。

●編集部註
 黄金週間の相場は本当に気まぐれである。昭和五十年も多分に漏れず。

 日足を見ると判る。休み明けから上昇したかと思えばやおら急降下。そこから一転昇り龍の如き未曾有の上昇相場になる。

【昭和五十年四月二八日小豆九月限大阪一万七〇七〇円・七〇円高/東京一万七〇八〇円・一一〇円高】