昭和の風林史(昭和五八年四月十九日掲載分)

2019年05月07日

ゴム絶妙の売り場に到達

ゴムは天井圏での波乱。これを売らずになにを売る。小豆も先行き値崩れ必至だ。

なにもかも面白そうな相場である。

とりあえず、小豆売りだ。この小豆はトレンド崩れを起こす前兆だ。その場合二万六千円台あるいは六千円割れに突っ込んでくる。

北海道の天候は非常に良い。作付け面積は前年並み予想。鰊の漁でだいたいその年の小豆豊凶が判明されるそうで、ことのほか本年の鰊漁は好調との事。

産地の大量在庫と大納言の圧迫は、節句過ぎての不需要期に換金売り表面化して六、七限の八千円台買い玉シコリが、なだれ現象を起こすだろう。

即ち春のだんご天井打ち。

輸入大豆は納会まで強い基調が続きそうだ。

交易会の成り行き待ちだが、シカゴが申し分ない押し目を入れ、これが再び上昇波動に乗るのは見えている。

ただ気になるのは円高傾向である。

穀取は応分の押しが入って大当りしている大衆筋の積極買いが続いていた。

なにしろ高値で利食いしての押し目買いだから自己玉は格好がつかない。

米国大豆の播種期(五月上旬から六月上旬)接近に伴い、向こうの天気が敏感にシカゴ相場に反映されるわけで、輸入大豆相場もこれからが強気本番。

中越国境トラブルで煎れたがっていたゴム相場が夜放れ高。

あの店のあの玉が踏むまではとチェックされていた玉が煎れていた。

夜放れしたあと各限月一代の高値を付けたが、天井圏内の波乱と見る。

産地やロンドンの絡みもあるが円高基調が判然としそうだし、放出もあることだろう。

買い仕手の利食いも散見される。どこまでも、いつまでもというわけにいかないのが相場であるから、売り続けていけば一瞬にしてほどけよう。下げだすと手がつけられない相場だ。

●編集部註
 欧米の映画を観ていて凄みを感じるのは、権力側にとってあまり知られて欲しくない事象も、手を変え品を変え作品にしてしまう事である。
 本文中で中越の国境トラブルについて触れられているが、実はこの時分から徐々にヴェトナム戦争やそれに付随するカンボジア内戦、中越紛争を題材にした映画が作られ始めている。84年制作の映画「キリングフィールド」はカンボジア内戦を描き、米アカデミー助演男優賞を受賞する。
 昔の日本映画にもこうした気概があったが今はない。当節は「忖度」が大流行。ちょっとの事で「お上に楯突く輩」とバッシングされる風潮だ。