昭和の風林史(昭和五八年四月二一日掲載分)

2019年05月08日

末は野垂れ死に型の小豆

輸大は人気離散しなければよいが。大穀の市場管理の拙劣に対しての非難高まる。

小豆がなんとも情けない相場つきで、商いができるほどに取り組みが減る。本来なら値頃観で買うところだが、大衆はソッポを向いたまま。

期近の売り玉がほどけて手仕舞いしたら、あとはどうなとかまわないという人気だから困る。

天候相場接近で一昔前なら人気が寄っただろう。

強気組は辛抱するかもしれないが詮ない辛抱になる。

もうあと千丁七千円割れで嫌気して投げてこよう。

なぜこんなに小豆は悪いのか。今年の北海道は天気が良さそう。作付けは前年並み。そして消費地雨が多くて実需不振。モノは豊富にあるし、これから不需要期とくれば、二万八千円が二万六千円でも相場だ。

輸入大豆は大阪当限大型台風の影響が他市場当限に出てきた。

目には目を、早渡しには早受けを。受けた現物どうするんだろう?と市場は詮索するが、そんなことは、ご本尊も判らんのでなかろうか。ここまできたが、これからどうする。天まかせ、運まかせかもしれない。

いえることは、あとは野となれ山となれ、市場が荒廃しなければよいが。

『きっとあれは病気だね。感心したことでない』と評判は悪いが、やっている側は背水の陣。それこそ修羅八荒の生き地獄だ。

結局のところ『大穀はなにをしとるんかねえ』となるわけだ。

ゴムのほうは売るのが怖いという人気で、売る人は売ってきてもう弾(タマ)が切れている。

煎れに合わせての買い方利食い。しかし大きな玉だけにこの先ガラが来たらS安も入ろう。

現物は千枚近く集まっているようだ。

すでにこのゴム暴落前夜。

なにか臭うのである。時間の問題と見ているのだが、あとは待つだけ。

●編集部註
 人間、辛抱だ―。
 先代の貴乃花と若乃花が出演し、このセリフが流行語にもなったCMが放送されたのは、確か70年代の終盤であった。
 人間は、辛抱するのが好きなのかもしれない。自分も含めて、曲がった玉を追証や両建てで持ち続けがちになる人が多い相場の世界に身を置いていると、つくづく思う。
 辛抱している人を見るのも、日本人は存外好きなのかも知れない。
 この年のこの月、NHKで朝の連続テレビ小説「おしん」が始まった。
 簡単に言うと明治女の一代記なのだが、ヒロインの幼少期から苦労辛抱の連続で、視聴率は平均52・6%、最高で62・9%という、朝ドラ史上最大のヒット作となった。