昭和の風林史(昭和五八年六月十三日掲載分)

2019年06月26日

小豆も輸大も強気のまま

小豆、輸大とも上昇急度鋭角だったのを訂正し再度基調に従って上向く準備中だ。

乾繭といい小豆といい、はたまた輸大にゴム、砂糖、六月相場は厳しい動きで皆既日食の影響か月齢による潮のせいか修羅八荒の荒れ地獄だった。

最近の相場は、なにによらず潮騒のようだ。あるいはラジオの北京放送みたいに音量が押し寄せてくるかと思うとまた引いていく。投機家心理の情緒不安と焦燥感が絵の具の濃淡のように現われる。

このような時は付和雷同して気あじにつくと振りまわされて失神する。

利のあるものは素早い利食い。引かされたものは忍の一字。大局方針さえ間違いなければそれでよい。

小豆は皆さん弱気だ。出直り初期の相場はこんなものである。

産地の照った曇ったで帳尻が上下する。

今の小豆は強気のままでよい。強気して、することがなければ、さしづめ将棋だと端し歩でも突いておくところ。

いずれ発芽遅れや低温障害を騒ぐ時がこよう。

シカゴ大豆が先日の小豆の先限S安みたいなことをしている。

毎朝七時頃にシカゴ相場を電話してくれる人の声のお早ようというその声だけでシカゴが高かったか安かったかが判る。時々電話がない。なぜでしょうね。たぶんきつい下げが入ったのかもしれないね―と。

円が確りしだした。円安で買った分だけ値が消えたうえにシカゴが叩かれて穀取定期は荒波に翻弄されている。

しかし水準としては底値圏だ。シカゴの人気指数(オピニオン)も急激に下げているから六㌦割るも割らぬも大底の圏内と見る。
売る相場ではない。

●編集部註
 その昔、テレビ放送が始まる前、ラジオはメディアの王様であった。
 1981年、MTVが開局し、その1曲目としてバグルスの『ラジオスターの悲劇』のビデオクリップが放映された時、完全に廃れたメディアになったと思われていた。
 ただ、平成から令和になった今でもこのメディアは生き続けている。
 特に国際情勢や経済情勢に関しては、音だけのメディアであるラジオを重要視する人は今も少なくない。また、相場の世界との親和性も高い。今ではサイマルラジオなるものも登場している。
 手嶋龍一の小説『ウルトラ・ダラー』の主人公はBBCのラジオ部門の特派員である。その中でアラン・グリースパン元FRB議長がBBCラジオを聴くのが日課であるという箇所が出て来る。
 昔は地方、特に広島、山口、福岡あたりでは夜になると電波が混線して中国語や朝鮮語の放送が流れていた。ふいに日本語で符丁のような数字を読み上げていて、不気味な印象があった。