昭和の風林史(昭和五八年六月二十日掲載分)

2019年07月02日

小豆の魔性ぼつぼつ発揮

噴いたら利食い。押したらまた買う。小豆は六月低温年の凶作相場再現である。

小豆は売り方の煎れに、せっせと買い方が利食いして久々三市場合計出来高が一万六千余枚(16日)。
これはちょっと様子が違うぞ―と、売り陣営の旗がゆれた。
六月の産地低温を過去に見ると昭和29年(〇・八三俵)。31年(〇・九三俵)。32年(一・八二俵)。39年(〇・八俵)。41年(一俵)がある。
いずれも六月出足にキズがついた年は凶作になった。
いまの市場は買い方に芯のある、いわゆる仕手的な存在がないから、S高してもおだやかだ。
急伸したら押す。押してまた次の上伸のエネルギーを充電する。噴いたら利食い、押したら買う。
基調が変わるまで、この方法の繰り返しになる。
基調は(1)相場が出直って非常に若い。(2)現物面から突き上げがくる。(3)目立つ大きな売り玉が踏むまでは押してもまだ上だ。(4)人気がまだ本当に強くなりきれない。
従って三万三千円あたりまでは売ることまかりならぬ相場と見る。
買い玉引かされていた時は、じっと辛抱していた読者から、利が乗ってくると、そわそわした電話。少し押すと心配になる。それが人間心理というもの。
利が乗ったら利は伸ばせ。そのためには大局観を持たねばならない。
利食いは器量でもある。その人の器(うつわ)である。売り玉二千丁利が乗っていたものが、はげてしまった人もいる。欲を伸ばしすぎたのと大局観の違いといえる。
二連休のあいだのお天気がどうなっているかで今週また多忙な投機家。

●編集部註
 所謂「まだ」は「もう」なり、「もう」は「まだ」なりの典型と言えよう。
 株式や債券、外為や貴金属ではなく、穀物相場の場合、いつかは何処かで手放さねばならない。つなぎ足で過去の罫線を見ている人間には到底わからないリアルである。
 話は変わるが、いまNHKの朝ドラで日本アニメーションの草創期で活躍した主人公が活躍するドラマをやっている。
 権利の関係上、登場人物や名勝は全て架空だが、その中のモデルとされる人物達がこの年、アニメ雑誌に連載中の漫画を長編アニメ化すると発表。翌年劇場公開されたこの作品は世界的評価を得る。
 次回作を製作するにあたり、実質的なスポンサ ーであった徳間書店社長、徳間康快は制作会社を設立。上記のアニメ雑誌の編集長をプロデューサーに据える。スタジオジブリの始まりである。