昭和の風林史(昭和五八年六月二十三日掲載分)

2019年07月05日

小豆連続S高場面接近!!

北海道は大変なことになっている。天気はこれからも悪い。六月に決着がつく小豆。

北海道の小豆は、過去に見たこともない作柄の悪さで、十勝、北見方面は、なおも低温と雨が続けば壊滅状態になるだろと現地古老は憂慮。

十勝の小豆は発芽したが本葉が出ない。畑はマッチ棒を立てた様相を伝える。北見方面は発芽せずの畑が目につく―と。

明治以来このような六月の悪さは体験したことがないとも。

昭和に入って北海道小豆の反収が最も低かったのは終戦の年(20年)の〇・五三俵。これは天候もさることながら異常下のもので例にならない。

近年では東京オリンピックの昭和39年の〇・八俵。29年洞爺丸台風の年が〇・八三俵。

まだ天候が回復すればという期待が売り方にはあるがオホーツク海高気圧のきついのが停滞しだして月末迄は冷え込みと曇天が続くから十勝、北見全滅ということもある。

トウモロコシが成長せず茶色になった。小麦畑も黄色に変色した。

全道平均〇・八俵という凶作になった時、値打ちが出るのは去年よかった古品小豆である。

11限新穀の出回りは遅れるだろう。

ザラバはノンデリになる。

あとは輸入小豆の枠拡大、早期発券だが、凶作が一般に判明しだしてからの作業になるから、相場はすでに連日のS高をやっているだろう。

売り玉は煎れ、買い玉は利を食い出来高増大。あとまた値頃感と意地をつけて売ってくるのをためておいて三万三千円が早い。

凶作と判ったら納会受けて現物を抱くという人がふえる。売り方に現物の裏付けがない。怖いことになる。売り建は今踏んでも遅くない。連続S高まさに目前にあり。躊躇逡巡の時に非ず。

●編集部註
 お天道さまを相手にしている相場ゆえに、天候には勝てない。「豊作に売りなし、凶作に買いなし」というが、これは〝織り込み済み〟を戒める警句であり「知ったら仕舞い」のようなものなので、初動はやはり大事である。
 この時のような目に見えて明かな歴史的な凶作はこの記事から十年後、1993年の日本でも起こる。これは後に「平成の米騒動」と言われる。
 端的に言えばそれまでのお上の減反政策が裏目に出た。この騒動でタイや中国等から緊急輸入したが米を茹でる習慣がなく、各地で色々と文句が。罰当たりな所業や言動をする大人達を見かけた。
 この時の騒動然り、今の小豆相場然り、日本政府は自国の農業に愛がない。徹頭徹尾、間違った事しかしていないと思う。