昭和の風林史(昭和五八年八月十八日掲載分)

2019年09月06日

輸大は疲労シカゴは危険

小豆はキツイ下値がありそう。輸大は疲れている。シカゴザラバ足が危険の信号。

小豆相場の周辺に雑豆自由化という影が見えかくれする。

これからはこの問題を抜きにして相場を考えるわけにいかん。

業界にはまだ楽観論者も多いが、建玉ポジションに支配された気やすめの希望的観測ほど危険なものはない。

三五〇万㌦に続く五〇〇万㌦の外割発券は、これは政策である。

政策の裏側には「規模の利益」がある。規模の利益とはなにか。大は国家、国民の利益。小はホクレンの利益。利益の裏側には取り引きがある。例えば役所がホクレンに貸しをつくる。

政治家が支援団体に貸しをつくる等も取り引きである。

われわれは政治の高次元でのそれらの流れは判らない。しかし判る方法がある。相場に聞くのだ。

今の小豆相場は、なにかを語っている。

それが理解できる人がこれからの小豆が判る。

現象的には取り組みが減少傾向。人間でも体重が減りだしたら、なにか悪いところのある信号だ。

相場の気味(あじ)が非常に悪い。もう一ツ。売りで苦労してきた山種の大手客筋が戦線をさかんに縮小(買い戻し)している。

山種は先般、山崎種二氏が永眠されている。いわゆる喪中である。喪に戦うことあるべからず。軍は兵を退くのを常とする。

人間世界の現実には必らず前兆、兆候がある。

この小豆相場は、かなり深い下値を知らせているように思う。

輸入大豆は天井したのでないか。シカゴと完全に分離した相場だ。シカゴもザラバ足を線に引くと天井圏の危険のシグナル。

穀取輸大はシカゴの相場が高けれど天井打てば大崩れ。その前兆。なんとも重い。相場が疲れているからだ。シカゴも砂上の楼閣。山雨まさにきたらん。

●編集部註
 アラカン、エノケン、シミキン―とカタカナ四文字が通称になるケースが多い中、商品先物業界ではヤマタネとなる。
 山崎種二氏はこの年の8月10日に逝去された。 
戦前から米相場で活躍し、米相場が斜陽になると株式相場に転身。戦後になると東京穀物取引所の初代理事に1952年に就任している。小説「赤いダイヤ」の敵役のモデルとしても知られる。
 虎は死して皮を留め、人は死して名を残す―というが、彼は近代日本画の収集家、山種美術館の設立者として名を残した。 現在に準えると、ZOZOの前澤友作のような存在か。彼が現代美術のアーカイブを造ると令和のヤマタネになれる。