昭和の風林史(昭和五八年八月八日掲載分)

2019年08月29日

今週小豆は再び奔騰場面

今週小豆は再び奔騰場面に入るように思う。三千円台は絶好の仕込み場である。

小豆は判らんという人が多い。売り玉辛抱たまらず踏んだらS安とくる。

根が弱気だから安いとまた売り叩くが、その割に底堅い。

天井だ、天井だという。予備枠だ、緊急発券だと騒ぐ。相場が安くてなにが緊急発券だ。

七月末在庫薄を見て、売り方内心は心寒い思いだ。

中国は東北小豆九千㌧まず買ってくれたあとから新穀の商談にはいりましょうと三晶に伝えたとか、三晶が役所に予備枠出してほしいと申し入れたとか色々伝わり、そんなことで五日金曜日はS安した―と。

週末はシカゴの急騰で輸大に歯止めがかかり、中豆ショックの輸大S安も切り返した。

自己玉が大量売りで苦しかっただけにS安叩き込んだところでひと息入れたが、シカゴ高と大衆パワーは太刀打ちできない。

小豆も、これといった買い方不在。むしろホクレンも役所も玄人筋大手も取引員自己玉も相場が騰がると困る立場だから、小豆市場総弱気の図だ。

それでいて三万三千円地相場の堅さ。

産地の快晴・高温で作柄かなり回復という期待感で売り方元気をとり戻したが四、五日の好天で果たしてどれだけ直るものか。

三万三千円台は判りやすい買い場である。八月中旬、下旬の天気はまた崩れるし秋冷早しの予報。

予備枠頼りで弱気が叩けば叩くほど、その反動がきつくなるし消費地10万三千俵の在庫では品ガスレもいいところ。10日発券11万俵の輸入小豆出回りはそっくり秋需に消えてしまうから、この相場潰そうにも潰れない。

ともあれ、みんなで弱気は怖くないという雰囲気だが、相場は人為の及ばざるものである。今週は再び奔騰場面となろう。

●編集部註
 相場とは全く関係ないが、FAANGの一角をなす米国のストリーミング配信会社ネットフリックスが今月8日、世界1 90カ国で配信を開始したドラマが好事家や玄人の間で話題になっている。 
本橋信宏の著書を下敷きにしたこのドラマの序盤は、この記事が書かれている1980年代前半の新宿歌舞伎町が舞台。その全てが大小のセットで詳細に再現されている。
 往々にしてヒントは別の場所に隠されている。そのドラマ「全裸監督」を観ると、本文で〝太刀打ちできない〟とまで書かれる程1980年代の大衆にはパワーがあったという事が、改めてよく理解出来るだろう。