昭和の風林史(昭和五八年五月二日掲載分)

2019年05月16日

小豆の安値ゆっくり拾う

春の天井を打って青田底を取りにいく小豆の格好。玄人総弱気だから強気がよい。

小豆に対する玄人筋の人気は極端に弱くなっている。

九千円台を買ったつい先日のあの強気が、まるで嘘のようである。

大衆筋は九月限のこの安値を買いさがりで、それが取引員自己玉九月限売り越しにあらわれている。

小豆九月限の安値買いさがり方針は、これでよいと思う。

今回の下げは産地の天候がよい。自由化問題。大納言小豆の嫌気。不需要期入り。実需不振など、言ってみれば今までに何回も言われていたことであるが、九限一代足で二千円も斬られては強気した人にとって面白くない。

だから多分に今の弱気は坊主憎けりゃ袈裟まで憎しの弱気である。

まあこれだけ下げてこれだけ弱気がふえたのだから八、九月限の安いところを買いさがればよいと思う。もう七千円を深く割り込む相場でない。

輸大のほうは飛び休で気乗りしないところ。

しかし五月上旬は強張りしそうだ。アメリカの大豆作付けも早いところは五月第一週から始まる。

向こうの天候がどうなのか、シカゴ相場がこれを教えてくれる。

ゴムもロンドン高に敬意を表した程度に戻したが、週末の相場に力はなかった。

下げたところは売り玉利食い。勢いのある戻しかたをするところを軽く売っていけばよい。

すでに肩さがりの頭打ち型である。今回相場の主導権を握っていた産地シッパーもポジションを移動中。ということは相場は山を越した。あとは日柄の重さが解決してくれよう。

●編集部註
 1983年5月は、当時のローマ法王ヨハネ=パウロ2世が「それでも地球は回っている」と地動説を支持して咎めを受けたガリレオ・ガリレイの宗教裁判の誤りを認めた月でもある。
 色々と時が解決してくれる事がある。この年の5月は、東京裁判に関する国際シンポジウムが開かれている。これは、その翌月に公開された「上位討ち」「切腹」「人間の條件」で知られる映画監督、小林正樹のドキュメンタリー映画「東京裁判」と深い関わりがある。  
 上映時間は227分。長いと思ったら大間違いで、ホロコーストを題材にしたフランス映画『ショア』の503分の半分にも満たない。
 ベルトルッチの『1900年』は316分。エドワード・ヤンの『クーリンチェ少年殺人事件』は236分。この手の映画は体力のある内に見ておくべきだ。