昭和の風林史(昭和五八年五月二十六日掲載分)

2019年06月06日

ゴムが再び買いの波動に

砂糖の目先狙いの売りは感心せんというが。小豆は陰極圏内。六月きわめて上昇。

精糖はバイカイ大出来高という事は、買っていたお客さんの総利食い。

なにしろ自己玉は売りだったものだから懐で買われた店は悲鳴をあげていた。

この精糖大勢的には買いの一本道で二二〇円→二四〇円→二八〇円というコースを考えておけばよいと思うが、目先としては(感心せんかもしれないが)一九〇円あたりの下の窓を埋めるトレンドに入るように思う。

その場合は勿論買いである。超スケールの相場の目先張りはよくない事も判っているが、人気が余りにも強すぎるのが気になる。

ゴムは買いである。円安も味方する。今度上げトレンドをつくると実勢面からの上昇になるから、時間はかかっても、先般の高値を取りに行くだろう。

わけが判らんのが輸入大豆だ。アメリカの天候が変である。発芽後のトラブルが怖い。シカゴの取り組みが増大を示したら用心しなければならない。

穀取は数日来堅い地合いだったが、月末月初にかけてレベルを下げる時期がくる。思わぬ下げがきてから強気しても遅くない。
という事で依然として売りのまま。シカゴも六㌦10を割らないと出直れない。

小豆はどうなんだろうね。産地の天候は回復に向かう。また売られるのか。

陰の極にあると思う。そして安値取り組みになる。

芯になる強気がいないから出直りに時間がかかる。

弱気は下千丁を見ている。更に弱い人は価格革命に入っているから二万円ありという。それはどうだろうかと思う。

相場の大底打ちが、どんな様相を呈するかの臨床的観察の場ともいえよう。

本間宗久伝『五月充分下げた時は六月急騰する』。現実悪のすべてが露呈したところが底である。

●編集部註
 株式市場には「セル・イン・メイ」というアノマリーじみた相場格言があるが、実際のところはどうなんだろうね。
 現在のシカゴ市場が悪天候でエラい事になっているように、先週の北海道で気温が39度に跳ね上がったように、古今東西5月は相場なり、気候なり、世情なり、意外な事が起きているという印象がある。ある意味「五月病」もその類と思われる。
 この年の5月、今村昌平監督が「楢山節考」でカンヌ映画祭グランプリを獲得。この時の事を筆者も覚えている。下馬評も、世間のムードも、総じて大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」が獲るだろうと見ていた。