昭和の風林史(昭和五八年二月十二日掲載分)

2019年02月26日

勝者は勝ちやすきに勝つ

大衆パワーは勝ち味をおぼえ行くところ敵なし出遅れ輸大を買う。この熱気凄い。

大衆の熱気というべきかムードで買う。

円が高い→よろしい大豆は押すだろう→押しを買おう。思ったほど下げない。

しからば少し買ってみよう→相場は高い→買い玉は回転。また押しを待つ。

大豆だけ見ている大豆商売専科は、判らないと首をかしげる。

砂糖にしても砂糖のみ見ている砂糖専科は、相場が判らない。ゴムまた然り。

輸大は、シカゴ大豆期近が、言っていた五㌦86の抵抗トレンドにきた。

ここで止まるはずだが行き過ぎて五㌦82は、向こうの投機筋も買う半値押し。

コーンが高いからシカゴのムードも上げ潮である。

輸大の当限ピン受け作戦は大きな反響を受けた。叩き屋ヘッジャーに、そうそうやられてたまるかいという反発心がある。よろしい、仲間達で三枚ずつ受けよう―という声もあった。

これが人海戦術で全国的な波になれば四、五百枚の玉は消えてしまう。

大衆筋はゴム、精・粗糖、輸大で勝ち味をおぼえた。このムードが怖い。

孫子兵法でいう『勝者は勝ちやすきに勝つ』だ。それ即ち勢いなり。

売り屋は唖然とする大衆パワーの源泉が判っていないからだ。お金があり余って行き場を求めている。

そして“我れにセントへれんちゃんあり”。エルにょろにょろもある。

四千円抜けから四千五百円に進むトレンドだ。

定期は場勘戦争だから、現物ヘッジの輸入商社だってS高連発がくればオーバーヘッジ分は火だるまで踏み上げてくる。

どうも、そのような相場になりそうだ。

小豆は大衆見向きもしない。それでよいのだ。小さな小さな盆ゴザである。

しかもホクレンなどのいんちきサイコロ見破っているから近寄らない。

●編集部註
 二日続けて〝小さな盆ゴザ〟のお話である。今と違って、この頃は時代劇がテレビでも映画でも当たり前のように流れていたから、読む側も理解しやすかったろう。
 理解は出来たが行動出来なかっただけだ。いや、自分が昔の時代劇で進藤英太郎が演じているような悪い貸元だと気づいていなかったのだろう。
 長いものに巻かれず、忖度もせず、ビジョンを持ち素人さんを大事に育てていれば、賭場はラスベガス並みになり、取引所はシカゴ並みになり、「オーシャンズ11」や「大逆転」のような映画の1本や2本、日本を舞台に作られていた事だろう。