昭和の風林史(昭和五八年九月十二日掲載分)

2019年10月02日

輸大はまさにフィナーレ

輸大は人気相場のフィナーレ。穀取がシカゴ離れする時が接近。シカゴも末期現象。

九月九日は陽の陽。レスリー発表予想外に低い数字で大穀輸大前三本S高に走る。

国内二連休。そして火曜13日の朝には米農務省の数字が判るわけで、レスリー予想数字より多いのか、少ないのか。前もってレスリーが不作の印象を植えつけ、免疫性ができたかどうか。

相場としては最終段階の仕上げ期である。

買い玉総手仕舞いで鎌入れするも、利は伸ばせで戦線更に拡大するも、あるいは売り玉追証続かず憤死の煎れも、火中に飛び入る思いで売り乗せするも一夜明けたら地獄極楽別れ道。

今の大豆はシカゴも穀取も典型的な人気相場。

人気相場は神経この上なく過敏で行き過ぎを伴う。

本間宗久伝も六甲伝も上げづめて日柄を経過し、更に好材料出現して人も我れも買い気にはやる時、悪魔はすでに足元に忍び寄っているから火の中飛びいる思いにて売れ―と教える。

怖いのは穀取相場がシカゴ離れすることだ。中国大豆の成約という上値抑制圏があるだけに手放しで上ばかり見ておれない。

シカゴにしても一番天井、二番天井して、三番をどこにとるかである。

相場は知ったらしまい。これは人気相場につきものの掟である。

小豆のほうは輸大に人気を取られて商いが細い。

産地の天候が早い秋を迎え先行き早霜の心配つきまとうから、安値を売ると一発S高を喰らいかねないが、くたくたにくたびれたような相場を買うほどの酔狂さもない―というところ。

だからなにかの材料で買われたところを売る。先限千円棒を立てたら売るというつもりでよい。

●編集部註
 恥ずかしながらここで登場する「レスリー予想」というものがよく判らなかったので調べてみた。
 もし間違いでなければ、コンラッド・レスリー氏の事を指していると思われる。英文だが紹介記事もあった。NYタイムスに「国内有数の民間穀物収穫予測者」と紹介され、冷戦時のニクソン政権の依頼で米国の小麦収穫量を調査し、穀物価格の変動に際して先物市場でヘ ッジする事を国内の農家に啓蒙し、米国人の金保有に貢献した人物であると書かれている。
 1923年生まれで昨年12月に死去。享年95歳。78歳で引退するまで、米国の穀物市場の第一線で活躍していた。1983年は彼が還暦を迎えた年なので、この時バリバリ全米各地の穀物の収穫予測をしていたと思われる。