昭和の風林史(昭和五八年七月二二日掲載分)

2019年08月06日

シカゴから援軍のラッパ

運に見放されたらお粥をすすっても歯が欠ける。よくよく売り方に運がないのだ。

小豆の売り方に運がない。

売り連合が結集して期近からぶっ叩こうという機運が高まろうとしていた矢先にシカゴから援軍騎兵隊のラッパ。

シカゴ大豆のS高は穀取輸大のS高。

穀取輸大の大量売り方は隣の小豆の売り大手。

一波は万波、連鎖する。

自己玉ポジションも楽でない。この先シカゴが煽られて八㌦相場出現となれば、穀取輸大は地鳴りして連日大出来高。

小豆のほうは土用に入ってこの天気では、完全に土用潰れで、しかも秋冷駈け足でくる。

11限のだんごになって揉み込んだカタマリを抜けて四千円カイのS高は、罫線としては五千五百円抜けを取る姿であり勢いだ。

要するに買い方不在の相場でも、売り込み過ぎると相場は人為の及ばざるものとなる。

前から言っているが今回の小豆暴騰劇は売り屋がつくっているもので、こんな相場見たことない。

大凶作というのに三万二千円を叩こうというのだから、どう考えても判らなかった。しかし相場が明解に答を出している。

定期と現物値段がかけ離れている以上、定期に渡す現物は採算無視の、いわゆる“現物による煎れ”である。買い屋に骨のある受け手がいないから当限を潰せば地合いが変わろうという肉を斬らせて骨を断つという作戦も成り立つが、あくまでもテクニカルなもので、小豆のファンダメンタルズからいえば、安ければ売り方の親引け見えている。ホクレンにしても同じ。

11限、12限までこれから一体なにを渡すのかと言いたいが、弱気は逆に、誰が受けるのかというわけだ。しかし大衆のピン受け作戦拡大すれば蟻が象を倒すこともできる。大衆とていつまでも愚ではない。

●編集部註
 先般、「蟻の一穴」という言葉を使った。蟻が空けた穴が崩落の原因につながるという意味だが、今回の本文では蟻が象を倒す話が登場。因みに、インドネシアのじゃんけんは人と象と蟻である。
 実際、この時の相場は「蟻の一穴」が現実のものになったが、今現在は同じように盤石の体制が脆くも崩壊するかも知れない場面を芸能界のあらゆる場面で目の当たりにしているような気がする。
 先日、京都で起こった放火事件もこの類であったかも知れない。アニメに関する知識に疎い自分でさえもよく知っている会社だ。まさかガソリン抱えて来社するとは夢にも思わなかったろう。