昭和の風林史(昭和五九年二月四日掲載分)

2020年02月28日

小豆は前から崩れそうだ

凶作尻の節分天井が過去の小豆にあった。前から崩れるのでないか。先三本売り急所。

小豆の週間棒〔先三本〕が今週、陰線を引くと、高値圏(五、六月限の)10本日足が、なだれてくる格好だ。

前週すでに売り線をマークし高値を抜けない重さは相場の流れの変化を知らせるシグナルである。

場合によっては当限から崩れるかもしれない。

当限の31日ストップ高であけた窓は埋める必要があるし、逆ザヤ縮小は、品物があるなしにかかわらず取り組みが抜けガラ化してきた期近から下げて春相場一巻の終わりになるだろう。

踏むものは踏んだ戦線にまだ頑張っている人は“小野田少尉”である。恐らく“只今帰還しました”と報告のうえ労を犒(ねぎら)われる時がこよう。

今の小豆市場は完全に売るのは怖い、強気するしかないという片寄った人気である。相場の怖さは、人気の裏が、ある日突然出ることで、それは日柄や取り組み面からくる相場の自壊作用である。

さて、市場は輸入大豆にも飽きがきたふうである。大衆は、この輸大で節分の豆を見るのも嫌だ―という気分だった。

精糖も閑散。粗糖にも気が乗らん。

ゴムと銀と乾繭が関心銘柄で、中でも銀に対する熱気の盛り上がりが凄い。

銀はコメックス週間足で見る限り大底脱出―という人気である。

手口は大衆買いの商社売り。商社必らずしも勝者ならず、銀を弱気しちゃ駄目だよと言われる。

乾繭は素晴しい線型である。逆ザヤの生糸が買い本命(逆ザヤ売るべからず)とする流れもあり、生糸がシャンとすれば、この乾繭は四千六百円→七百円早い相場かもしれない。

折りから乾繭は市場振興策に同取引員協会が努力している。相場もひと花咲かせたいところ。

●編集部註
 「羹に懲りて膾を吹く」というが、まさにこの時の小豆負け組の心境がこれであったと思われる。隣の芝生は青く見える。ましてその芝生はかつては自分の持物。自分が動けぬ時に相場はよく動く。故に「休むも相場」で胆力を回復する必要がある。
 藤枝梅安先生もひと仕掛けが終わると温泉場に長逗留し、飽きるまでゆに浸かり酒食にふけった。面白いのはこのシリーズ最後の完結長編「梅安影法師」の中で、梅安との勝負に負け、辛くも逃げ延びた敵役にも、作者である池波正太郎は同じ事をさせているのだ。違ったアプローチからの臥薪嘗胆といえるだろう。
 何事も中途半端はいけない。休むなら徹底的に休むべきである。しかし、日々の相場記事を書く者はそういう訳にもいかぬ。