昭和の風林史(昭和五九年二月十八日掲載分)

2020年03月12日

輸大に再び投機の関心が

輸大の底値が?めたようで値固めにはいっていく段階であろう。シカゴも底値圏。

輸入大豆が大底して安値から日足で綺麗な陽線三本を立てたあと夜放れ高をした。

コントラリーオピニオン(強気指数)のシカゴは二週続いて大豆29と極端な弱人気だった。〔大豆ミール15。オイル21〕。この指数が30を割ったら要警戒とされている。百人のうち71人が弱気だったわけだ。

穀取輸大も13、14、15日が32、30、30という圧倒的な弱気支配だった。

相場はその極限において天井の時は、これ以上強いものがないほど安心買いになり、大底の時は、悲観絶望これ以上の悪さなしという現象を露呈する。

投げるものは投げて、ひとまず玉整理ができたところへ予想を大幅に下回る作付け面積の数字が判明してこれが強烈なインパクトになり、相場の好材料はあとから貨車でくるというコースになった。

週間棒もこれで大底確認。例年の一月底が二月にズレ込んだわけだ。

あと押し目があっても相場は出直ったばかりで若いから、大納会から下げた、およそ八百丁の三分の一、半値、三分の二というポイントを手がかりに再び人気が輸大に集まりそうだ。

小豆は時ならぬストップ高で『わからん』という声。あまり関心がないようで、判る人たちだけが取り組んでいる相場。昔から判らん時には手を出すなという。

銀の強気指数は55→62。金は55→50。プラチナ56→44。銀のみ強気がふえている。

目下のところ最も弱気が多いのは綿花16、小麦18で逆に強気圧倒的はガソリン76、Dマルク73で、その次に銀がきている。

さて、きつい下げをした乾繭も16日の安寄り逆襲陽線で押し目完了。前乾先限四八〇円あたりまでの反発力はついたようだ。

●編集部註
 日常、記事の執筆や翻訳以外に入稿記事を編集すべくキーボードを叩く生活を送っているが故に、どうしても他人の文章を読む機会が多くなる。
 そこでどうしても目に留まるのが、昔の相場人の文章の美しさである。
 執筆者本人の文学的教養の高さというのもある。ただもう一つ重要なのは昔の相場用語自体が花柳界に由来するため、その用語を使う事で文章全体に艶が出るのだ。
 〝花柳〟という言葉自体、中国の遊里に由来する。遊里の周りは柳に囲まれ、その中には〝花〟があり、それは牡丹と相場が決まっていた。立てば芍薬、座れば牡丹―の牡丹である。留学した五山僧達から日本へと伝播したと言われる。そして花は玉に変わる。今も見習芸妓を「半玉」と呼ぶのはその名残。事程左様に玉は大切な存在なのである。