昭和の風林史(昭和五九年二月七日掲載分)

2020年03月03日

疲労の色濃くなった小豆

小豆は相場に疲れが出ている。輸大は下げ止まる地点。乾繭は相場に若さがある。

相場で難かしいのは、ファンダメンタルにウエイトが置かれているゾーンとテクニカルな面に比重が占められる境界線とが判然としないところである。相場はテクニカルだけでは儲からないし、ファンダメンタルだけでも?めないところがあって、その両方を加味し、只今の相場は、どちらにウエイトを置けばよいかを判断するしかないようだ。

それともう一ツ。われわれは今まで、どの商品といわずシーズンに影響を受ける商品のみであった。小豆、大豆、生糸、乾繭、繊維、砂糖、ゴムすべて、季節に関係しての需給であり高低であった。

ところが、石油が絡み、為替が絡み、相場を複雑にしてきた。

そして今、金やシルバーという、まったく季節に影響のない商品を相手にする時代を迎えている。

これら商品のファンダメンタルにしろテクニカルにしろ地球規模で考えなければならない。

戦後商取業界は、取引員もセールスの投機家も小豆で育ち、毛糸、綿糸、生糸、乾繭で器(うつわ)を大きくし、ゴム、砂糖で国際感覚を学んだ。そしてこれからは輸入大豆、ゴム、粗糖、金・銀という地球規模の、しかも全天候24時間型の気くばりに、金利、為替の絡みまで考える、いわば四次元空間の世界に思いをめぐらせポジションをとることになった。

考えてみれば非常に面白い時代である。要するに視野の問題と感覚。そして情報の質が問われるときである。

さて、小豆―という世界に戻り、あるいは乾繭という世界に埋没してみると、これはこれまでまた、なんともいえぬ味がある。

小豆は今週下げに向かい、乾繭は上げに向かい、輸大は下げ止まった。

●編集部註
 人生すなわちパンタ・レイ―。事の大小を問わず、万物は流転する。
 相場も例外ではない。日本国内の穀物相場はいま瀕死の白鳥だが、長期相場サイクルは銘柄によっては存外死んでいない。もっとも、商い全体が薄いので、好機とて手を出すつもりはない。
 取引手法も、分析手段も流転する。光回線、それも超高速の回線が世界中を駆け巡り、高速取引が幅を利かせ、取引用の高速回線を引く行程が一本の映画作品になる時代を誰が予想しただろうか。
 分析手法もパソコンが手放せなくなった。
 北辰物産が非常に優れたチャートソフト自社で持っている。先日、何らかの事情で日経平均関連のチャート配信を終了。弊社でもフル活用していただけに困惑している。
 北辰のソフトは業界の宝である。何とかならないものか…。