昭和の風林史(昭和五九年三月十九日掲載分)

2020年04月14日

輸大飛びつかず押し目を

輸入大豆市場は、なにかを察知しているような足取りである。押し目買いがよい。

シカゴ大豆は14新値で一㌦強を実に綺麗な姿で上げたあと押し目を入れた。新値は13ないし14本目あたり呼吸する。

シカゴの一㌦強の上げ道中は五本目、五本目で押し目をつくるリズムだった。

相場基調は上値待望ムードであるが、再び高金利予想の暗雲もあり、商品に還流しかかっていた投機資金の流れが相場の方向を決めることになる。

また昨年九月の天井から肩下がりの超大局トレンドからは離脱した相場であるが一本足のV底では大きな相場はつくれない。

一㌦上げの半値押し七㌦50あたりを探りにきてもおかしくないところ。

穀取輸大は円安分をどのあたりまで買うか。

大衆筋は期近に高値掴み玉が残っており、下げ相場の苦しみが嫌というほど身にしみているから、先のほうはどうしても安値おぼえで売りたい気分のようだ。

線型としてはWボトム(底)をつくり期近の四千円(大穀)は三月限一代の下げ幅千六百四十円の下げ道中で、ほとんど玉整理が終わっている。

また先二本にしても四千三百円には抵抗ができていて、本年の作付け動向やアメリカ中西部の天候によるドラマの展開を待つところ。

東京銀は81円90銭からの六円90銭下げで大衆筋は高値?み・安値売り建という両建型になった。

貴金属相場にまだなれていないから、既存商品の経験で、すぐ両建に走る人も多いが、銀の今の水準は資金配分による買い難平で、買い値水準を、より低くする方法が判りやすいところだ。

74円20銭以下には大きな買い物が待機している。

●編集部註
 筆者が外務員だった頃に「高値掴み・安値売り建という両建型」は〝股裂きの両建て〟と呼ばれていた。外すに外せず、外そうと試みるも、残玉と預かりが減る事を嫌う上司に妨害され、気付けば担当を外され、そうこうしている内に顧客の心が折れて全落ちし、そこから紛議に進むという黄金コースを経験した下っ端外務員は少なからずいたのではないだろうか。 筆者もその内の一人である。故に今回の記述は後悔と恨み節が混ざる。
 ダメなら決済、そこからリベンジマッチという流れが本来の最適解だ。
 経験則上、変な夢を持たせて両建て〝させる〟と大抵ロクな事がない。顧客の玉と預り金があたかも自社のものである、と勘違いしている管理者が多かった事が、近年の国内商品会社衰退の要因の一つと筆者は考える。