昭和の風林史(昭和五九年三月九日掲載分)

2020年04月03日

銀の急落は買い場つくる

銀の反落は新規買いでも難平買いでも絶好のチャンスになりそうだ。投げる要なし。

東京銀は上場後15円40銭幅を上げて、急反落した。

上げ幅の三分の一押し地点が76円80銭。これで止まらず半値を押して74円20銭あたり、きつかったが、上場した時の値段を基準に計算を取ることは意味がない。

一ツの目安になる金銀比較(銀1に対して金が何倍か)は金銀各六月限比較で39倍~40倍である。

為替相場にゆれ動く国際商品の中で銀は国内鉱産出が年間二八一㌧(82年)、スクラップ一一四㌧(同)と、この年の輸入量五〇〇㌧に比較して結構自給率が大きく、ゴムのように輸入依存度の高い商品と違い、為替変動から受けるショック度は軽減される。

あとは香港相場との絡みやNYコメックスの動きに連動するが、東京市場のボリウムが厚味を増せば、ある程度、東京市場の特性が発揮されよう。

『お客さんは(銀相場が下がっても)投げない』という。限月は長いし証拠金をたっぷり準備し、安値の急所、急所で難平買いすればよい―という考えである。

銀には古品も新も、品質低下も心配ないし、現物受けても倉敷料の負担もないから、(1)インフレムード、(2)金利商品から貴金属への投機資金移動。(3)チャートから見たコメックス長期限月の15㌦目標など、銀に取り組む投機家の層は厚くなるばかりである。

要するに証拠金さえ弾(たま)切れにならないよう、長い長い物指しでポートフォリオに組み入れて投機をも楽しむ姿勢が、これからの新しい投機家像になるだろう。

輸入大豆のほうは東穀の米国産大豆市場の絡みで、投機判断が難かしくなった。商社筋はシカゴのポジションと為替とフレートの組み合せで市場を利用するが投機家は翻弄される。

●編集部註
 買いの難平素寒貧―と昔の人はいう。
 大衆と同じことをしていたら、いずれ破れる―とこれも古参の相場師が遺した言葉である。
 種玉を持っているのならともかく、仮に証拠金をたっぷりと準備したとしても、大なり小なりトレンドが間違っていたら、大なり小なり追証請求が来る。ここで大尽ぶって余裕をかますと、たちまちやられるのが相場―と、自身の経験則から思う。
 相場巧者はダメと思ったら逃げ足が早い。損切り上手は相場上手である。
 ましてや、商品先物は限月制が基本。投機と投資の違いを把握出来てない人は、本来商品先物をやるべきではない。そのあたりをちゃんとお客様にご認識して戴く努力を怠った事が、現在の日本の商品先物取引を衰退させた一因と言えよう。