昭和の風林史(昭和五九年一月十九日掲載分)

2020年02月07日

小豆、輸大両市場冬景色

小さくなったパイを勝ち組が奪い合う姿になろう。輸大市場も荒涼。穀取市場冬景色。

小豆東西合計の取り組みが三万七千枚とほどけている。

この数字は昨年六月頃とほぼ同じで、その後八月頃五万九千枚までふえたが、一時的なものとなり四万四、五千枚に落ちて、その四万枚をも割る昨今である。

取り組み、出来高はその商品の人気バロメーターである。

本来なら月の中頃ともなれば先限の取り組みが増大するのに東西市場とも、これの増加が鈍い。

当限は強烈臨増し規制で、あとは取り組みがほどけるだけである。

輸入小豆の入荷が細々したものだから在庫がたまらない、渡し物がほとんどない。しかも売り込まれた取り組みが担がれ、二月限も当限同様のコースが一般に予想されている。

二月限の取り組みは特に取引員自己玉について、一月限と同じパターンであるから逆ザヤ出世高→強烈臨増し規制→売り玉憤死ということになるだろう。

それだけに二月限の売り玉は早目に手仕舞う傾向と、新規買いに出る流れがあって相場はゆるまない。

10月、11月、12月、そして1月と売り方は悪戦苦闘の末に憤死している。

そして彼らは市場に戻らない。これから後は新しい思惑資金が流入する環境でないだけに、勝ち残った組が小さくなったパイの奪い合いになる。

自然商いも一場二桁の時がくるだろう。

一般大衆は輸入大豆市場で手ひどい打撃を受けている。相場師や玄人なら再起を狙って、いつかは市場に戻ってくるが、大衆筋は、あまりにも大きな損失をこうむると、二度と商品相場に手を出さない。

これは相場世界の宿命みたいなものである。

一月後半から二月の月は穀取を中心にして寒さひとしおであろう。

●編集部註
 「大衆筋は、あまりにも大きな損失をこうむると、二度と商品相場に手を出さない」
 耳の痛い話である。
 かくして、商品取引は世間でヒールとなり、哄笑の対象となった。
 今から10年以上前、「兵庫のおじさん」というアニメが一部の好事家の間で話題になった。今でも「兵庫のおじさん 政見放送」で検索するとそのアニメの一部を動画サイトで見る事が出来る。その政見放送の中で小豆相場が登場するのだが…。
 どのような扱いになっているのか、ご興味のある方はご覧戴くとして、シニカルなギャグとして充分成立している。
 そしてこのギャグは、恐らくこの頃に痛い目に遭った大衆のイメージが、広く世間に伝わった証左であると筆者は思っている。