昭和の風林史(昭和五九年一月十七日掲載分)

2020年02月05日

小豆市場は末期的現象だ

小豆市場に対する不信感はますます高まり、この市場は末期的現象である。

小豆当限の新規玉は13日から一二〇万円と藪から棒のように狼狽その極あまりにも唐突な規制を市場管理委員会で決め既存玉も17日から80万円にする。

一般大衆および市場利用者はこのとり決めが藪から棒の唐突であったが、事情通によれば、一部市場管理委員の方々は、これを決める前に当限の買い玉をかなり這わせたようだ。

市場管理についての拙劣さは言うをまたないし、一部の人達による“市場はどうなろうと、儲けられる時に儲けておこう”というやり方は、非難轟々である。

狭い市場だから、誰がどのようなことをしたかはすでに筒抜けである。

本来なら、自らの襟を正し、市場正常化に率先指導に当たらねばならないそれらの有力者が、あたかもドサクサにまぎれて利益しようとする行為は、あまりにも視野が狭く、業界の将来市場の信用を考えない行為として情けない次第だ。

穀取小豆市場は、明らかに末期段階といえよう。

三年前も、五年前も、なんら変わらない体質であることを市場参加者は、今回の一連の件で再認識したのである。

従って小豆の市場振興策など、まさしくナンセンスであり、良識ある取引員のいうが如く“百害あって一利なきもの”といえるかもしれない。

それは小豆相場に情熱を持って取り組んできた人にとっては淋しい事であるが、市場を取り巻く環境と、市場内部構造が成長せず、改善されぬ以上、いつまでも小豆に愛着を持つことは精神衛生上もよろしくない。

要するにもう小豆の時代は終わったのである。

●編集部註
 老兵は死なず、ただ消え去るのみ―というフレーズを連合国最高司令官を退任するにあたって演説の中に入れたのはダグラス・マッカーサー。
 彼の様に何事も引き際が肝心―と言いたい所だが、彼の朝鮮戦争直前あたりからの行動は、やる事なす事米国内では裏目に出るというくすぶりの連続であった。
それを踏まえて「老兵は―」のフレーズの入った退任演説を改めて読むと、これがボヤキだった事が分かる。
 万物は流転する。50年代、チャック・ベリーが「ロール・オーバー・ベートーベン」と歌った40年後、レニー・クラヴィッツが「ロックンロール・イズ・デッド」と歌う。
 80年代の幕開けにバグルスがビデオ・キルズ・レディオスターと歌ったその20年後、インターネット・キルズ・ビデオスターと歌われた。更にその20年後の現在、ユーチューバーがテレビスターを殺しにかかっている。
 何事も長生きは難しい。