昭和の風林史(昭和五九年一月七日掲載分)

2020年01月28日

流れがどこで変化するか

閑も相場。異常も相場。すべては神のおぼしめし。流れの変化するのを待つだけ。

小豆当限日足線(大阪)は27 28日と暮の二日と大発会で頭から綺麗な三本陰線を入れている。

安値でこの逆の陽線三本が立つと、強力な買い暗示になるが、高値で、かぶせるような陰線三本は売りである。

線はそうだが、今の小豆市場の期近限月は、腕力が仕勝つ環境にあるから売り玉の纒まった煎れが出たり、買い方が煽りの手を振ると線は売りでも硝子(ガラス)の売り線になろう。

異常な逆ザヤ現象に対して業界世論がようやく厳しくなろうとしている。ポジションを持つものがとやかく言うのは我が田に水を引かんがためと思われて効果はない。

異常か正常かは取引所当局が判断する問題である。

考え方としては各人各様である。

(1)なに事も神のおぼしめし。異常な時は異常なように相場を張る。
(2)異常と思った時は市場から離れる。
(3)異常な事はいつまでも続くものでないから相場がこわれるのを待つ。
(4)声も荒々しく異常だ、異常だと騒ぐ。

相場の方向というものや大きな流れは、どうなっているのか。

期近限月が歯止めになっているから、この現象が続くあいだは逆張りのような動きで自然閑になる。

しかし、いつかは、どこかで解消するものである。それは異常が、異常でなくなった頃だ。

そこのところが相場の相場たるゆえんである。閑も相場なら異常も相場である。それらは一にも二にも日柄で解消するしかない。

今年はガンジーの無抵抗主義のように、すべて相場は相場という純粋相場論で相場を見ていこうと思う。相場に腹を立てず、むやみに喜ばず、失意泰然にして得意冷然なるべし。

●編集部註
 「腹を立てると落ち目になる」「腹立ち商いするべからず」「腹立ち売買いたすべからず」―。
 風林火山こと、鏑木繁の著書「格言で学ぶ相場の哲学」(ダイヤモンド社)では相場の中で〝腹を立てる〟という事に関して、相場格言を3つ紹介している。
 抗う事なかれ、黙ってついていけ、行けばわかるさのスタンスは後の著書「ニコニコ相場様」へとつながる。行きつく先は相場の〝呼吸化〟なのだと思う。
 書くのは簡単だが、やるのは難しい―というより未熟者である筆者には不可能に近い。
 勝ってはしゃぎ、負けて呪い、日々の値動きにおろおろする生活はさすがに少なくなったとはいえ、達観した心境に至るにはまだまだ修行が足りないと実感する。