昭和の風林史(昭和五七年十月二二日掲載分)

2018年11月19日

ふらふら戻す小豆を売る

輸大仕手戦も末期現象。もとの木阿弥になろう。小豆の三万円台は売り場と思う。

小豆の先二本が三万円大台乗せあたり売りたいから待機しているところ。

いまの場合、相場に芯がない。夢遊病者のように足が地についていない。

フラフラと買われてスルスルと下げる。

小豆相場にロマンがないといえば、まったくその通りだ。

長い目でみるなら二万五、六千円という、そんな馬鹿な―と思う値段があると思う。

秋底だと信じて買うと意外な落とし穴がある。

大きなトレンドでは大底にとどいていない。

農家の仕切り難でザラバが硬化しても、これは一時的現象である。高くなれば農家は換金するのは当然。

輸入大豆は勝負がまだついていないと言うけれど大勢は決したように思う。

大阪には渡し物七百枚とも八百枚ともいう。

名古屋があき巣といわれたが、名古屋にも結構渡し物が寄っている。

大逆ザヤの当限玉締めは、環境からみても無理だろう。すでに日柄の面で疲れがきている。

相場の大敵は無理を押し通すことで、必らずその分のツケがまわってくる。

来月になれば、中国大豆も入ってくる。なにもいま高いものを買う必要はない。

円安とシカゴ高というサイクルで強張った二番限を売るのが判りやすい。

生糸のほうは自民党の総裁選びみたいに話し合いもつかず、納会まで行ってしまいそうだ。

買い方は受ける準備を進めているし、売り方は実弾をためている。

小豆の場合だと連続大量現受けが問題にされたが、生糸は事情が違うのか、どうもその辺のところが判らないと大衆投機家は首をかしげる。

しかしこれだって先に行けば相場は崩れるしかないだろう。それが相場だ。

●編集部註
 以前も当欄で触れたが、この時の自民党総裁選は揉めに揉めた。
 結局総裁選をやる事になり、中曽根康弘、河本敏夫、安倍晋太郎、中川一郎の4候補が出馬。11月24日に中曽根康弘が1位を取り、その2日後に臨時国会を召集。翌日に内閣が成立。官房長官はあの後藤田正晴である。
 当時、中曽根は〝風見鶏〟と呼ばれていた。久米宏は自身が日曜の夜にやっていた冠番組で、横山やすしと一緒になって中曽根を弄り倒していた。
 現在バラエティ番組で政治家を弄る場面がない。
 弄る程キャラの立つ政治家がいない訳ではない。
 恐らく、政治家側に弄らせる程の器量と余裕がなくなったのだと思う。