昭和の風林史(昭和五七年十一月十一日掲載分)

2018年12月07日

いずれ小豆が気崩れする

輸大当限は順ザヤまで下げるだろう。来週からの下げがきつくなる。小豆も駄目だ。

輸入大豆の大阪当限に中国大豆二百五十枚は、ゆっくり渡るだろうと観測されていた。

円相場が底入れ観で急反騰して、円が高くなった分だけ輸大は下がる。

T社筋の先月末から新ポにかけて大量買い建てが大衆人気を刺激して、かなりの提灯がついたが、今となっては天井?みの因果玉をつくったことになる。

問題はT社玉を今後絶対に受け入れないのか。それとも依然として裏口から入れるのか。すべては取引員の自覚の問題であろう。主務省としては強権発動してでも問題玉の受託を排除する方針。

このことを取引員は真剣に考えなければならない。役所の姿勢は、いままでとは、まったく違うのだ。

小豆相場は薄商いでお茶を濁している。

肝心の産地から値崩れするのだから始末に悪い。要するに大根時の大根である。

二万九千円をスカーッと割って、投げるものは投げる―という場面がないと相場の灰汁(あく)は抜けない。

最近の強弱を聞いていると、どうも理屈が多過ぎる。沢山収穫できたものは安く売る。これが自然の流れである。景気が悪い時には物が売れない。

相場に値頃観禁物という言葉がある。

三晶がどうしようと、ホクレンが一元集荷しようと、今期枠の発券を先送りしようと、それと相場は別だ。

相場なあくまでも相場で、下がるところまで下がらねば、大底が入らん。

相場はなんでも知っている。太平洋戦争初期の東新(あずましん)は、軍部が勝った、勝った、大勝利を騒いでいるのにジリジリ相場は下げていた。昭和40年、国家権限で日本共同証券を設立して下がる株価を買い支えたが、底打つまでは買うほどに値崩れした。

●編集部註
 最後の下りは、とても36年前に書かれた感じがしない。古今東西、相場に関する事象は、どこかで何かの役に立つ。故にこの連載があるのだが…。
 異論はあるかと思うが、長期的に歴史を俯瞰で見入ると、お上の株の買い支えとハント兄弟の銀の買い占めはあまり大差ない。しかも後者は相場者。引く時は引く。むしろ、引くに引けない事が多いお上の盆暗旦那博打の方が性質が悪い。インパール体質というべきか。
 盆暗旦那博打とは何かを知りたければ「熔ける」という本を読んでみると良い。上級の教科書で喜劇で悲劇でホラーである。