昭和の風林史(昭和五七年十一月五日掲載分)

2018年12月03日

強気多い小豆だが重たい

小豆の商いは薄い。先日本売り上がりが判りやすい。輸大当限は天井を打っている。

小豆相場は弱気を言う人がいなくなるほど人気が強くなった。

当限の三万一千五百円あたりを誰もが考えているようだ。

今期輸入枠の発券を来年一月以降にズリ込ませて、輸入小豆の圧迫から値を守る―という政策面による応援が、今のところ官民挙げての錦の御旗である。

増産させた以上、農家に対して値段を守ってやるという姿勢は、やむを得ないことかもしれない。

しかし相場は、あるところまでは、なびくだろうが、人為の及ばざるものであるから、無条件に強気できない。

子供でも判ることは値が高くなれば産地は売ってくるのである。

収穫したものは、年末には換金して、お正月の準備もしなければならない。

目下のところ取引員業者も現物流通関係者も、産地筋も小豆に関しては皆々強気である。

期近限月に関しては敢えてその強気に逆らう必要もないと思うが、皆が考えているほど、この小豆、上昇のエネルギーはない。

買っているあいだだけ高いという相場だ。

期近高につられて上がる三、四月限を、ゆっくり売り上がれば、判りやすいし、苦労せずに取れる。

輸入大豆は円安に支援されているが、長期限月気分一杯買うだけ買った。

また、当限も、品物がないわけでないし、中国大豆の入船が見えている。

東京当限四千六百円。名古屋、大阪当限七百円。綺麗な踏み上げ・天井型。

八月16日安値から、日柄で三月(つき)またがり60日。日足四段上げ。

先月末で旧穀二万二千㌧の在庫を見ている。今月に入って入荷相次ぐ。

内部要因は煎れ出尽くしての飛びつき買い。そして現物ヘッジが盛ん。

●編集部註
 先日触れたように三波伸介は82年12月亡くなったが、この年の11月にはソ連のブレジネフ書記長が10日に亡くなった。
 その昔、スターリン暴落というのがあって、ソ連の政治指導者の死亡は何かと相場の変動要因と関連しやすかった。そうでなくともこの頃は、キューバ危機の頃に比べればマイルドになったもの、依然として東西冷戦の真っ只中である。
 核戦争の恐怖を描いた映画は当時一つのジャンルとして確立されていた。
 ただ、この頃になると書記長一人が死んだとて、相場は急落すれども回復するのが早かった。為替相場を除いては…。