昭和の風林史(昭和五七年十一月二五日掲載分)

2018年12月21日

どうするT社大量買い玉

輸大は大阪当限の玉締め。T社大量買い建玉の問題。六本木二の舞いの心配等大変だ。

米国から「とりあえずの例示」として農産物六品目(雑豆も入っている)を中心に日本の輸入制限をガットの二国間協議に持ち込む用意がある―と通告してきたことを材料に小豆相場は売られた。

相場としては当限の九百円弱戻し、先限の六百円強戻しで、下げトレンドの中の一呼吸を入れた格好だから、十一月15日の安値を割って投げを強要する動きになってもおかしくない。

上場相場に押し目が入るように、下降相場に戻りがつきもの。

この戻りを、出直りと錯覚させるのが、値頃観である。もうこのあたりの水準ならという、「もう」がいけない。
相場の世界では「もう」は「まだ」なりという。

やはり二万七千円割れというあたりまで行ってしまうのかもしれない。

しかしこの相場もどこかで底が入る。それは多分来月中頃であろう。

輸入大豆は円高に加速度がかかり、また中国大豆の先に行っての大量入荷予想で、大阪当限以外は値崩れしている。

先のほうの限月にはT社の膨大な買い玉が高値で掴まっている。

そして、業界では色々な噂が数日来流れ、大豆市場の違約事件まで心配されていた。T社が追証を入れない―と横になった場合、T社機関店は当然、大量の買い玉を投げるしかない。それとも、また抜け解け合いという事か。

九月。某穀取会議室に業界団体の会長が取引員五社の幹部を呼び出して「モラル論」の説教をした。要するに君んところはT社の生糸売り玉を受けて、けしからん…ということである。これは建玉ポジションに絡んだ圧力以外にない―と評判だった。

T社大豆が六本木の二の舞いにならねばよいが。

●編集部註
 その昔、大阪にガーリックボーイズというパンクバンドが存在していた。
 最近、某アイドルグループが彼らの名曲をカバーした事が、一部でちょっとした話題になっていた。
 その曲の名は「あんた飛ばし過ぎ」。この記事の最後のくだりを読むと、この曲で延々繰り返される「ちょっと、アンタ、飛ばし過ぎっ!」という歌詞が思い浮かぶ。
 ご興味のある方は是非ネットでご検索戴きたい。
 この時、取引員だけでなく米国も飛ばし過ぎであった。ニュースでは、日本車をハンマーで叩き壊す映像が流れ、デトロイトでは、中国人が誤って白人に殺された。