昭和の風林史(昭和五七年十一月二九日掲載分)

2018年12月27日

小豆は大底待ちの姿勢で

小豆は大底待ちの段階だと思う。実勢はまだ悪いが、人気が弱くなり過ぎている。

T社の輸入大豆買い玉が二万枚にもなろうかという増大ぶりである。

この買いっぷりが更にエスカレートして四万とか五万枚にもなれば、まずは第一巻の終りになろう。

しかし、ここで手を緩め、仮りに三千八百円以下という安値がでた時に、強烈ナンピン買いを入れれば、その時の事情にもよろうが内部要因面からだけでも千丁ほどふっ飛ぶ相場になるだろう。

歌手は一年、総理は二年。話題の相場師三年もたない。

これが世の常である。T社はこの春にゴムと砂糖と生糸で敗れたが、小豆と生糸の売りで大勝した。

そして今は輸大の大量買い建が注目されている。

中豆市場になれば三千六百円もあると弱気は言うが、そのような値があれば絶好の買い場になろう。

小豆相場は、まだまだこれから(安い)というが、どうだろう。

実勢は確かに悪いが、因果玉の投げもみられた。

また日柄といい、値幅といい、底値に接近していることは確かである。

二万七千円割れが、あるかもしれないが、ないかもしれない。

このような時は、あれば大底、だから買う―という待ちの姿勢がよいと思う。

戻りはどうか、人気が弱い証拠に、戻り売りを言う人がふえた。

もう一ツ怖いのは政策がモノをいう段階にくることだ。それは日柄であり、軽視した人気であり、そして抵抗の出る値頃である。

●編集部註
 夜明け前が一番暗い―よく使われる言葉である。
 その反面、この言葉が出て来る時はまだ〝一番〟暗い部分には至ってはいないとも言える。その点、「もう」は「まだ」なりに通じる所がある。
 1996年12月、当時のFRB議長は「根拠なき熱狂が資産価値を不当につり上げている時期を一体どうやって判断すればいいのか?」と発言。当時の株価上昇をけん制した。しかし、ダウ平均は翌年も上がり続け、1 998年に一度急落したものの再度反発。最終的に高値から下降局面に入ったのは2000年1月からであった。
 古今東西、分野、銘柄を問わず、この手の事例は枚挙に暇がない。そしてこの時の小豆相場がそうであった。
 歴史は繰り返される。存外、現在の株式市場はあの〝根拠なき熱狂〟という言葉が出て来たからしばらく経った時に何となく似ている。「まだ」が囁かれだしたら、そこは既に「もう」なのだろう。