昭和の風林史(昭和五七年六月二十八日掲載分)

2018年06月11日

この買い占めは自壊する

無理した相場には必らずトガメが出る。この小豆は自壊するしかない。大暴落前夜だ。

小豆東西取り組み合計は五月上旬に比べると一万四千五百枚もふえた。

売り方に取りまかれて買い方は退くに退けない。すこしでも隙をみせると、すかさず斬られる。

火の粉をかぶってでも天候相場に逃げ込む格好。

そうはさせじと、洗いざらいの現物を逆ザヤ五限にぶつけ、これが六月も千枚の現物は渡せる準備で、まさに鬼気せまる。

それにしても大穀の代行会社は物指しの目盛りを、その時々で違えるのはけしからんという騒ぎ。

去年の四月、五月の輸入大豆で逆ザヤだから融資は出来ん。早渡しまかりならんと買い方の申し出を平井専務はことわった。

今度の五月小豆納会は、代行会社の役員ならよいのか? 小豆もれっきとした逆ザヤではないか―と。

大穀は、三月チョンボ納会で買い大手に借りがあるから、仕方ないのだろうか―と、あっちこっちから声も荒々しく電話がかかるが、僕にいってもはじまらん。それは大穀の平井専務に直接聞いて下さい。

売り方も、買い方も、仕手相場、異常市場になるとエキサイトして、ポジション・トークのボリュームがあがる。取引所は余程確りした(取引所の)あるべき姿を認識していないと、ケンカ場になってしまう。

さて、大受け渡しのあとに大相場なし。来月も大量の入荷がある。現物消費は停滞。強気に味方するものは安値取り組みだけ。

だが片建取り組みの中に占める仕手筋買い玉は七割以上に達した模様で、定石としてこれは破滅型。時間経過で自己破壊作用を惹起する。それを待つだけでよい。

●編集部註
 〇〇では、◇◇では、の「出羽守」になってしまうのを承知で言うが、欧米では相場しかり、カジノしかり、丁々発止の鉄火場では、取引を司る側、胴元となる者たちが厳正にして厳粛な態度で規律と規範を実践する。そうでないと、社会の信頼を得られないからだ。社会に認められないと、これらは悪所となる。実際、取引所が厳正厳粛な姿勢を見せなかった故に、商品相場は一般社会から悪所と見なされたと筆者は思っている。いったんついたイメージを払しょくするのは難しい。
 「ベンチがアホやから野球がでけへん」と言って引退した野球選手のように「取引所がアホやから相場がでけへん」と悪態をついた参加者が少なからずいたのではないか。
 こうした姿勢が今も変わっていないのなら、日本でカジノなどやっても失敗するのは火を見るよりも明らかだと思う。