昭和の風林史(昭和五七年六月三十一日掲載分)

2018年06月13日

安値売るな。高値踏むな

小豆は人気離れだ。相場はいずれ暴落だが今は中段のモミ。安値売らず高値踏まず。

六月新ポ登場する11月限は新穀だから二千円の格(サヤ)を買われてしかるべきだが、五百円の上ザヤが買えるだろうか。10月限と同値近辺に生まれはしないか。

買い仕手が逃げる気なら新ポ一節の11限を、値にかまわず売りつなぐしかない。しかし恐らく逆に買ってくるだろう。

となるとこの仕手は潰れるしかない。

全般に市場は小豆離れである。東穀と大穀の現況に対する考え方の違いも市場に対しての不信感を強くしている。

現在の商取業界は生糸にしろ、乾繭、精糖、そして小豆と、なんとも変である。これらは決して正常な取引所市場といえない。

当業者の取引所忌避。大衆離れ。だんだん表面化している。商取業界のあるべき姿を見失っているように思うのである。

さて、それはそれとして、あくまで相場は相場と受け止めて考えてみよう。

(1)売り過ぎたことは確かだ。総弱気である。(2)安ければ買い仕手が積極買いする。(3)上値は玉をはずしてくる。

だから決定的な、なにかの材料がないことには大きな上値に走ることもない。

下も同じだ。

閑になって時間を食えば天候―発芽が材料のポイントになる。

もう一ツは、六月の入船状況だ。現物筋は、あらいざらい渡してしまった。

要するに売り屋は詰めろが詰めにならず駒を渡してしまった。攻め道具が入船するまで蛸壺の中。

長い目でみれば天候次第といえるが、天気(作柄)が少々悪くても内部要因が今の状態では、日柄を食った分だけ悪いし、相場の上値も四千円までだろう。

売り玉は煎れることはない。売り上がれば勝つ相場である。

●編集部註
 相場の世界において、言い切るという行為は勇気が必要である。
 にもかかわらず〝売り上がれば勝つ〟と言い切った理由は、当時の日足罫線を見ると何となく判る。では、4月から3カ月間の日足をご覧戴きたい。
 4月下旬、相場はギャップダウンしていた。
 その後、5月末から6月頭にかけて、相場はギャップアップしている。
 問題は、このギャップアップで4月のギャップを埋めてしまっているという点である。
 このギャップが埋められた後、反落した相場は下降トレンドを形成する。6月中、2度ほどギャップに向かったが超えられず、7月以降は崩落相場となる。買い方はこれで完膚なきまでに打ちのめされる事になる。