昭和の風林史(昭和五七年七月二七日掲載分)

2018年08月13日

今から買っても遅くない

速い相場になる。S高もくる。売った人はドテン買い十分間に合う。八月は強烈。

土用三日過ぎれば秋風吹くといわれたものだが、梅雨がまだ明けない。

こんなことは本当に珍しい。

相場の方は、急伸型の相場になっているのだが、強気の人でも、もう一回深押しがあると思うらしい。

一本足の底はないというが、V字型の鋭角底で四千丁幅をふっ飛んで行った(増山崩れのあと)こともあって、Wボトムを待っていると買い場を失する。

大阪の三万五百円~七百円。東京の三万一千円のところ。

これは解け合い値段である。相場が押すのは、その値段を取ってからで押しても軽い押し。

思うのである。八月相場は強気している人にとって会心の出来になるだろう。それは限月三本に投機が絞られる事。安値をかなり大衆が売り込んだ事。商社が上げ賛成の現実。

そして高値にシコリ玉がない。即ち安値取り組みである。これが怖い。

仕手手持ち現物の入札は買い手殺到。結構相場は相場の値で引き取られた。

月末も高いだろうが、本気で相場が走るのは八月である。

安値叩いて掴まっていく人は、高々戻して三千丁ぐらいにみていようが、政策というものがあり、次期枠絞り込みも考えなければならない。

どうだろう。三千丁戻しが五千丁高の三万三千円あたり。筆者はあると思う。それは、55年夏の電流(アンペア)が走った相場と同じタイプだから買う間も与えない速さである。

不幸にして安値を叩いた人は無念無想で踏め。そしてドテン買いが十分間に合うのだ。

●編集部註
 そう、1982年はまだ梅雨が明けてない。
 この時期の集中豪雨で、長崎県では市内にかかる重要文化財、眼鏡橋が半壊したという話は先般したかと思う。
 弱り目に祟り目とは言ったもので、この梅雨の長雨に台風が重なる。82年8月2日、台風10号は愛知県に上陸して死者・行方不明者合わせて95名の被害者を出す。
 1982年は、今のようにネットが全国津々浦々に至るまでつながっているような、注文がクリック一つで簡単に出来るような時代ではない。
 都会はいざ知らず、地方の支店だとチャートや注文伝票は手書きが当たり前、相場表はデジタルではなくアナログで、チョ
ークやマグネットによる事務員さんの人海戦術だ。
 正直、この時「相場を張ってる場合かよ」と思っていた人が少なからずいたのではないか。心理は、相場に現れるものである。